発熱を訴える50歳代の女性
関節リウマチのため、メトトレキセートの内服、トシリズマブの点滴を受けている患者。
1週間前から発熱を認め,近医で尿路感染症と診断された。抗生剤の内服を処方され経過観察していたが、突然の悪寒,発熱,全身倦怠感を自覚するようになり救急を受診。
1週間前から発熱を認め,近医で尿路感染症と診断された。抗生剤の内服を処方され経過観察していたが、突然の悪寒,発熱,全身倦怠感を自覚するようになり救急を受診。
<身体所見>
血圧110/60mmHg、脈拍120/分整、体温38.5度
呼吸音:正常
心音:正常
<検査所見>
WBC10000 CRP 0.03 PCT 陽性
<経過>
PCT陽性であり、重症敗血症を疑い抗生剤の投与を行いました。入院後の血液検査でもCRPは陰性のままでしたが、血液培養が陽性となり、経過からは尿路感染に伴う敗血症と診断しました。
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WBC10000 CRP 0.03 PCT 陽性
<経過>
PCT陽性であり、重症敗血症を疑い抗生剤の投与を行いました。入院後の血液検査でもCRPは陰性のままでしたが、血液培養が陽性となり、経過からは尿路感染に伴う敗血症と診断しました。
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トシリズマブ(アクテムラ)は、IL-6阻害によりT細胞の活性化や抗体産生などを抑制する薬剤で、関節リウマチに対する高い有効性が知られています。
IL-6はB細胞に抗体産生を命令する分子というだけでなく、炎症時の急性期反応などをはじめとした生体のさまざまな反応に関与する重要な分子であり、その異常産生が、多発性骨髄腫、キャッスルマン病、関節リウマチ(図3)などの疾患に深く関わっているとの事です。
細菌感染ではIL-6の増加により、発熱やCRP上昇がみられますが、トシリズマブはIL-6を阻害することにより、感染徴候に乏しい症例が散見されるようです。当院の症例はCRPが陰性でしたが、WBCの上昇、発熱に乏しい症例の報告もあります。
トシリズマブそのものが感染症の発現や重症化にも関与することが知られ、特にリウマチの罹患歴の長い方、DMARDsの使用歴のある方では、特に重症感染症のリスクが高く注意が必要です。
トシリズマブ ケーススタディ −副作用への対処−
アクテムラ使用中、細菌感染のマーカーとしてCRPは当てにならない
Risk of infections in rheumatoid arthritis patients treated with tocilizumab.
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