心筋梗塞急性期には心筋壊死により組織が脆弱化し、以下の機械的合併症を発症することがあります。先日、前壁中隔心筋梗塞に心室中隔穿孔を来した症例を経験したので、最近の文献をチェックしてみました。発症頻度は低いですが十分注意が必要ですね。
機械的合併症は以下の通り
- 心室中隔穿孔
- 自由壁破裂
- 僧帽弁乳頭筋断裂
心室中隔穿孔の発症頻度は1.5%、自由壁破裂は1.7%(国内報告)
心室中隔穿孔の発症頻度は0.17%、自由壁破裂は0.52%(海外報告)
リスクファクター
高齢、女性、狭心症や心筋梗塞の既往がない方、高血圧の既往がない方など
発症までの平均日数は2.6日(国内報告)
24時間以内に機械的合併症を発症する症例は約50%、
24時間以内に機械的合併症を発症した症例の死亡率は約90%(それ以降だと63%)
発症までの平均時間は23.5時間(海外報告)
90日生存率は、心室中隔穿孔で20%、自由壁破裂は37%
心室中隔穿孔の対する外科的手術を受けた方の予後(海外報告)
30日後の死亡率は36%
30日まで生存された症例の生存率は1年で91%、5年で75%、10年で31%
30日後の死亡率は36%
30日まで生存された症例の生存率は1年で91%、5年で75%、10年で31%
J Cardiol. 2014 Jan;63(1):14-8. doi: 10.1016/j.jjcc.2013.06.012. Epub 2013 Jul 29.
Am J Cardiol. 2010 Jan 1;105(1):59-63. doi: 10.1016/j.amjcard.2009.08.653
Eur J Cardiothorac Surg. 2014 Jul 3. pii: ezu248. [Epub ahead of print]
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