拡張型心筋症による心不全のため入院中の40歳代の男性。
これまで服薬アドヒアランスが悪く,心不全増悪を繰り返していた。今回も服薬の自己中断で心不全が増悪し入院となった。内服薬の再開で呼吸苦は改善したため試験外出したが、寿司を食べて帰院した後に皮膚の掻痒感と呼吸苦を訴えた。普段からエビを食べると口の中が痒くなる事があったが、今回もエビを食べたという。
<身体所見>
収縮期血圧100mmHg,脈拍80bpm整
全身に地図状の膨隆疹あり
<UCG>
もともとびまん性の左室壁運動あり、LVEF30%
<治療>
血管確保後、ステロイドの投与を開始した。
<経過>
ステロイド開始30分後、全身倦怠感、意識レベルの低下、血圧が触診で50mmHg程度まで低下し、応援を求められた。
------------------------------------------------------------------------------------------------
<診断>
食餌性アレルギー:
成人の食物アレルギーはエビ、カニ、ピーナッツ、栗、くるみ、ゴマがほとんど。これらの食物に対するアレルギーの体質は改善しない。
本例は拡張型心筋症の心不全であり、大量輸液とアドレナリン投与を躊躇していました。
即時型反応(多くはこちら):早期に出現し、次第に改善
遅発型反応:早期に完全消退するが数時間後に再発する二相性の経過
非特異的な前駆症状の認識が大切
口内違和感、しびれ感、尿意、便意、掻痒感、
悪心、嘔吐、胸部違和感、視野異常、多弁、興奮など
原因
薬物(抗生剤、造影剤、NSAIDs、アスピリン、ワクチンなど全ての薬剤)
食物
虫刺され
その他
食物依存性運動誘発性
ラテックス
ハムスター咬傷
物理的要因(運動,寒冷、熱、日光)
これまで服薬アドヒアランスが悪く,心不全増悪を繰り返していた。今回も服薬の自己中断で心不全が増悪し入院となった。内服薬の再開で呼吸苦は改善したため試験外出したが、寿司を食べて帰院した後に皮膚の掻痒感と呼吸苦を訴えた。普段からエビを食べると口の中が痒くなる事があったが、今回もエビを食べたという。
<身体所見>
収縮期血圧100mmHg,脈拍80bpm整
全身に地図状の膨隆疹あり
<UCG>
もともとびまん性の左室壁運動あり、LVEF30%
<治療>
血管確保後、ステロイドの投与を開始した。
<経過>
ステロイド開始30分後、全身倦怠感、意識レベルの低下、血圧が触診で50mmHg程度まで低下し、応援を求められた。
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<診断>
食餌性アレルギー:
成人の食物アレルギーはエビ、カニ、ピーナッツ、栗、くるみ、ゴマがほとんど。これらの食物に対するアレルギーの体質は改善しない。
本例は拡張型心筋症の心不全であり、大量輸液とアドレナリン投与を躊躇していました。
<アナフィラキシー・ショックに対する治療のポイント>
気道の血管性浮腫による窒息とショックがの回避- 気道確保
- 血管確保+輸液、アドレナリンの皮下投与!(0.01ml/kg)
- 原因物質の除去
- ショックになったら必ずアドレナリンを使用、使わないと致命的な事もあり。
- アドレナリンは大腿前外側(外側広筋)に筋注。皮下投与だと吸収されにくい。
- アドレナリンはβ受容体刺激を介してmast cellや好塩基球のcyclicAMPレベルを高め、ケミカルメディエーターの放出を抑制、α作用は末梢血管の収縮、β作用は気管支攣縮と心機能低下を改善。
各論
アナフィラキシーの発症は抗原曝露直後から30分以内、持続時間は数分〜2・3時間程度。即時型反応(多くはこちら):早期に出現し、次第に改善
遅発型反応:早期に完全消退するが数時間後に再発する二相性の経過
非特異的な前駆症状の認識が大切
口内違和感、しびれ感、尿意、便意、掻痒感、
悪心、嘔吐、胸部違和感、視野異常、多弁、興奮など
原因
薬物(抗生剤、造影剤、NSAIDs、アスピリン、ワクチンなど全ての薬剤)
食物
虫刺され
その他
食物依存性運動誘発性
ラテックス
ハムスター咬傷
物理的要因(運動,寒冷、熱、日光)
血管造影でアナフィラキシーが発生した際に注意したい点
造影剤に加え前投薬した薬剤(内服、静脈投与)を全てチェックする
造影剤アレルギーだと早合点しない
心機能が低下している症例でも早期にアドレナリンを投与
血圧が維持できなければ、大量輸液、ドパミンやドブタミンの使用を早めに考慮
造影剤に加え前投薬した薬剤(内服、静脈投与)を全てチェックする
造影剤アレルギーだと早合点しない
心機能が低下している症例でも早期にアドレナリンを投与
血圧が維持できなければ、大量輸液、ドパミンやドブタミンの使用を早めに考慮
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